活動報告 7期目


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令和6年3月議会に寄せて

今議会では、自由民主倶楽部の代表者質問として登壇し、「施政方針について(津山を築く8つのビジョン)」について質問いたしました。詳細はYouTubeの「津山市議会」もしくは津山市公式ホームページの「議事録」からご覧ください。

さて、開館以来約27年が経過し、老朽化著しい久米地区の市民プール整備計画ですが、都市機能充実の一環として「公認プールの整備」の請願書が3度津山市議会に提出され、いずれも採択されています。

平成18年までは、屋外の公認プールが存在しましたが、老朽化のため取り壊され、現在津山市に公認プールは存在しません。そこで、久米地区の市民プール整備計画に公認プール整備を盛り込んだところ、工事費や維持管理費の増大により、賛否かまびすしい状態となっています。

試算によれば、公認無しのリニューアルの場合は約16億円、公認プールの場合は約21億円の総工事費となるそうです。この、16億ならYes、21億だとNoという基準が私にはよくわからないのです。もちろん、市の財政に余裕があるわけではないので、支出は少ないに越したことはありません。が、公認無しのリニューアル事業での試算がもし21億円だったとしたら、やはりNo!と言うのでしょうか。「そんな大金のかかるプールなんかやめてしまえ!」と言うのでしょうか。論点はそこではないような気がします。

運用において、黒字が見込める事業、つまり儲かるならば民間がやるべき事業であり、都市機能の一環として必要ではあるが黒字化は難しい、それは官がやるべき事業です。これを税金の還元と言います。ただ、肝心なことは、公認プールが本当に現在の津山市の都市機能に必要な事業なのか、なぜ市民プールとしての整備ではだめなのか、そこのところを再度考えるべく、スタート地点に立ち返る勇気も必要だと思います。

たしかに、平成18年、既存の公認プールを取り壊す時に、津山市は「再び公認プールを」と、市民に約束をしています。が、時代は大きく動き、少子高齢化、人口減少が急速に進んでいます。将来的に市の存続さえ危惧されるこの変換を受けても、 “約束”の公認プールなのか、時代に合わせて方向転換するのか、行政と議会が問われるところです。

この事業自体は過疎債の対象となるそうです。問題は公認を維持するためのランニングコスト、このランニングコストの軽減こそが論点であるべきで、アイデアを出し合うべきところなのです。アイデアを出し尽くしても解決策が見つからなければ、方向転換を決断するべきでしょう。グラスハウスの教訓として、狸の皮を数えるような試算に頼ってはいけません。

話は変わりますが、岡山県内において、ずいぶん昔から「南厚北薄」と言われてきました。港も空港もなく、新幹線も通らない県北の津山です。しかし、東西南北の物流の十字路です。陰陽連結の拠点都市です。県北の雄都を自任するならば、それに相応しい都市機能と文化は必要不可欠です。本当に最優先で行う、本当に必要な事業であれば、補助金の有無、金額の多寡を問わず、私は賛成します。

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令和5年12月議会に寄せて

新年あけましておめでとうございます。と言いたいところですが、早々に起こった能登半島地震。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、一日も早く平穏な生活が取り戻せることを祈念して止みません。

12月議会では「森の芸術祭」、「祭りのイベント会場」、「重伝建保存地区」、それぞれについて質問いたしました。詳しくはYouTubeの津山市議会公式チャンネル、または津山市のホームページから議事録検索でご覧ください。

さて、津山市には多数の人が集まる祭りがふたつあります。夏に行われる「ごんごまつり」と、秋に行われる大隅、高野、徳守の三社の祭りを総称した「津山まつり」です。

現在、ごんごまつりの踊り会場は道幅の広い奴通りとなっていますが、新型コロナ以前はそれよりも少し道幅の狭い、中心市街地の鶴山通りの大手町から今津屋橋にかけてが踊り会場でした。

そして津山まつり、なかでもメインとなる、日本三大神輿のひとつと、氏子町内に多数の文化財だんじりを擁する徳守神社大祭のイベント会場も、奴通りです。こちらは20年以上前から。

言いたい事は二つ。

まず、密度。広い奴通りでは、まつりの密度が低くなります。密度が下がれば熱気も下がります。ごんごや津山情緒の踊り連が1,000人も2,000人も繰り出すならともかく、あの広い道路ではどうも間が空きすぎているように見えます。自分が観客の立場なら、押し合いへし合いしながらも、もっと密度の高いイベントを間近で見たい、そう思います。

例えば「おわら風の盆」、街並みは風情こそあるものの、道路は広くありません。というか、むしろ狭いです。そこに踊り連の町流しと20万人の観光客が集まり、ゆるゆるとした踊りでありながら、熱気はすさまじいものがあります。祭りは密度、そして熱気です。

次に、場所。奴通りはまちの中心部から少し離れています。津山まつりでは、だんじりが長時間イベント会場でである奴通りで足止めされます。そして中心部は・・静かです。鉦も太鼓も聞こえてきません。とても寂しいです。だんじりを送り出した多くの町内が、イベント終了まで静まり返っている有様です。

そこで、提案です。城下の観光協会を祭り本部として、大手町交差点までの東西の通り、そこから鶴山通りを南へ今津屋橋北詰交差点までを、イベント会場にする案です。少々間延びした祭りをもう一度凝縮して密度を高め、中心部に熱気と共に祭りを回帰させる案です。祭りを好んだと言われる松平公を偲んで、城下を熱気で包んでみませんか。

新型コロナ以降、人と人の距離が少し遠く、縁が少し薄くなったような気がします。これは地域経済も遠く、薄くなったという事ではないでしょうか。しかし、全国各地で中止されていた祭りやイベントが次々と復活しています。これを機に、距離や縁を元に戻したいのです。祭りなどは絶好のチャンスです。新型コロナ以前よりも、もっと良いものにして取り戻しませんか。

広い奴通りと比べれば、警備や観客席と演者との分離、感染症の予防等々、ハードルはかなり高いと思います。しかし、もっと狭い道路で、もっと人の集まる祭りを行っている所は各地に実在します。そういった有名どころの祭りに、市民の方であれば観光で、議員であれば視察で、結構な数の方が行かれていると思います。そういった方々がヒントやアイデアを出し合って、新しい、熱気のある、密度の高い祭りを築いてみませんか。

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令和5年9月議会に寄せて

9月議会では、持続可能な社会の実現、そして津山市の契約についての質問をいたしました。詳しくはYouTubeの「津山市議会」、もしくは津山市のホームページから議事録検索でご覧いただけます。

さて、持続可能な社会の実現に大きく寄与するものが「水素」です。市長自らも「津山線に水素燃料電池列車の導入を」と、声を上げておられます。

実際、JR東日本では2030年の実用化に向けて動いており、南武線等で実証実験を開始しています。また、ドイツではすでに乗客を乗せての本格運行が始まりました。

JR西日本では、公式のアナウンスで「2030年代の実用化を目指す」とのことです。ぜひ、津山線を実証実験の場として採用していただきたいものです。そして津山駅を水素ステーションとして、列車だけでなく、バスやトラック、乗用車などへの水素供給を熱望するものです。

ではなぜ水素なのか、水素がそんなに良いものなのか、との疑問もあります。そこで少し調べてみました。

水素は酸素と化学反応させると水になります。比率は水素2に対して酸素1です。その時、熱と電気を発生します。中学校の理科の実験でやった「水の電気分解」、あの実験の逆をやるのが水素を使った燃料電池。つまり排気ガスの代わりに水しか出さないのです。

必要な酸素は空気中に21%含まれています。課題は水素生産のコスト、輸送や保存のための高圧タンクでしょうか。

さて、この燃料電池ですが、実用化はまだまだ先の事と考えている方が多くみられます。が、実はわが日本ではすでに一般販売されているのです。おそらく皆さんが耳にしたことのある「エネファーム」、これが正に家庭用燃料電池なのです。正式名は「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」と言い、都市ガスやLPガスを燃料改質装置によって水素へと変化させ、燃料電池で電気と熱を発生させるものです。

2009年、世界に先駆けて一般販売がスタートした、日本が誇る技術です。

日本ガス協会のデーターによれば、エネファームの普及台数は2021年度で43.3万台、そして2030年度には300万台を目標とした「エネルギー基本計画」を立てているそうです。

このエネファームですが、発売当初より価格が下がったとはいえ、まだまだ高価です。いくつかの課題も抱えています。しかし、普及が広がるほど価格は下がり、課題の解決も進むと考えられますので、国の補助に合わせて、ここはぜひ津山市の補助も張り込んでいただきたいと考えています。

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令和5年6月議会に寄せて

今議会では、城東の重伝建地区での火災、重伝建に指定されている家屋を含め、13棟が全焼した大火について、そして市民の皆様の関心事である田邑財産区の太陽光発電を巡る裁判についてと、それぞれ質問をいたしました。
詳細はYouTubeの「津山市議会」、または津山市のホームページから議事録検索でご覧いただけます。

さて、2013年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された城東町並み保存地区ですが、それ以前にこの街並みの火災に対する危うさを当局に質したことがありました。
個人資産なので消防法に沿った指導以上のことは・・といった答弁だったと記憶しています。

残念なことに、危惧していたことが現実となってしまい、忸怩たる思いです。今一度、木造建築群の防火対策を検討すべきではないかと考えています。

古来、木と紙で作られた日本の家屋群の弱点は火災であり、大火の歴史にもいとまがありません。また、戦時中には、その弱点に目を付けた米軍が焼夷弾で日本各地の町並みを焼き払ったことはよく知られています。

さて、「出火率(件/万人)」というデーターがあります。総務省消防庁資料(平成30年)の全国平均は3.00件/万人となっています。我が津山市はこれが4.14件/万人(平成27年・津山圏域消防組合資料)だそうで、さらに城東町並み保存地区に絞ってみると、なんと11.60件/万人と跳ね上がります。

寒冷地ほど出火率が高いのかな、そう考えて全国のデーターを見ると、そればかりではなく、都市の近代化が関係しているように感じられます。なるほど、木造建築群である城東町並み保存地区の出火率はそういった理由なのかと。

では、重伝建の大先輩である飛騨高山はどうなのかと、調べてみました。

以前、飛騨高山の重伝建地区を訪れた時に目に留まったのが、常に水を湛えた側溝です。溝蓋は人力で簡単に跳ね上げられる木製、それも必要な所だけ。そして「いざ」という時には、板を差し込んで流れを堰き止め、簡易防火水槽となる側溝です。初期消火には大いに役立つと思われます。また、朝夕に側溝の水を柄杓ですくい、道路に打ち水をする姿もなかなかに風情のあるものです。

そんな記憶があったので、飛騨高山の出火率を調べてみると、1.63件/万人(令和2年)と、非常に低いことに驚きました。

もっとも、歴史をさかのぼってみると、木造建築群の繰り返される火災被害はいずこも同じでした。先人たちからずっと悩み、知恵を絞り、試行錯誤を続けた結果が、1.63件/万人という数字に表れていると思います。

例として、飛騨高山では、高山祭で屋台の曳行を行う屋台組や小規模な祠を中心とした講などの近隣共同体の俗習があるそうです。そこに行政が着目し、数軒単位のネットワークで出火や異常の情報を共有する「火災信号共有システム」を国内で初めて構築(1996~)し、現在もその改良に余念がないそうです。また、延焼防止線を担った防火性の高い土蔵の保存・維持にも力を入れていると聞き及んでいます。

さすが、重伝建の大先輩、大変参考になりました。

もちろん、津山市も手を拱いているわけではなく、城東地区・城西地区ともに防災計画を公表していますし、先日の城東地区大火の後、津山市主催で城東・城西地区の住民を対象に防災勉強会を開いています。今後の出火率の変化に注目してみようと思います。

さて、話変わって、田邑財産区の太陽光発電を巡る裁判の件です。

これは日刊SPA!の「太陽光発電事業で贈収賄疑惑、市長への高額接待も」と題されたweb記事に対し、谷口市長が名誉棄損で裁判を起こしたものです。つまり、簡単に言えば「会食はしていない、だから記事を訂正しろ」という事です。

記事の中で会食をしたとされる日は、庁舎内で公務にあたっており、終業後はこれも公務で複数の町内会長との会議に出席していたことがわかっているので、アリバイは明らかです。なので、裁判でも「会食があったとは認められない」との結論ですが、記事の訂正については、「疑惑としか報じていない、また市長側の反論も掲載していることから、名誉棄損に当たらず、記事の訂正も命ずることはできない」という判決です。

決してこれ以上でもこれ以下でもなく、上告などで時間を浪費するよりも、課題山積の市政に邁進する事を選択した市長は賢明だと思います。

最後に、「市長派・反市長派で議員が割れている」という声をよく耳にします。そして私は市長派であると。
異を唱えるつもりはありません。谷口市長は、段階を踏みながらきちんと政治を学んできた人物です。そういう人物が津山市の舵を取ることは、当然のことだと考えています。

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